定年後の生活

定年後にボランティアをやりたいという人は多くいらっしゃいます。
それまで家庭を顧みずあまりにも働きすぎて働き蜂と化していた。
高度経済成長を支えてきた世代の特徴でもありますが、会社人間になっていて、いざ退職したら、地域になかなか溶け込めない。
人は何かと繋がっていたい、属していたい、もしくは関わっていたいという願望を持っています。

「クオリティ・オブ・ライフ」を目指した生き方

親子のイメージ

会社人間だった人が、リタイアしたら、地域に溶け込むどころか、地域から浮き上がってしまい、あげく病気になってしまった。
楽しいはずのリタイア後がこれではやり切れません。
私がここで提案したいのは、ボランティアをやりながら、「後進の指導を行い少し働く」ということです。
そういう選択をするなら、年金を受給しながら、給与ももらえることになります。
その結果、潤いのある定年後の生活が実現することが可能になってくるはずです。
これは、私のライフワークのテーマでもある「クオリティ・オブ・ライフ」の実現ということでもあります。
60歳で定年になったら、さらに65歳まで給与は多少安くなっても、とにかく「少し働く」というライフスタイルをとることを勧めています。
その際、給与が安くなる分、その差額が雇用保険としてもらえる、高齢者雇用継続給付金というものがあるということをお知らせしています。

何が豊かさをもたらすのか、もう一度問い直してみることが必要な時代に入っています。

夫婦のイメージ

従来の価値観の書き換えとともに新たに浮かび上がってくる人生全体への見直しのなかで考えてゆきましょう。
不利益変更だと見て、減額するのは罷りならんとする学者もいますが、これは仕方のないことだと思います。
だったら、60歳で定年退職を迎えた後は働かずにすぐに年金をもらって暮らしてゆくほうがよいのかということになりますが、それよりも体のことを考えてみても、働けることの喜びを見出してゆく方が、新たな豊かさと潤いとゆとりとを創造する事が出来て人生としての質の高い何かが顕在化してくるのではないかという気がします。結局、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)という考え方に戻ります。

定年後の生活イメージを描いてください

家族のイメージ

私はよく自分の人生を花に喩えます。
芽を出して、生長して花を咲かせ、散って終るのではなくてさらに実をつけ、その果実を分けてもらおうではないかということです。
それは精神的な必要性と物質的な必要性の両方がバランスよく満たされている暮らしです。 老年を迎えた人が企業社会にとっては「役立たず」ではなく、豊かな人生経験や技術を身につけた存在として、豊かさのピークに達した黄金の収穫期を生きるにふさわしい豊かな存在なのだということ。
それにふさわしい定年後の生活イメージを描いてみるとよいかと思います。
そこで私は、少し仕事をしながら、地域社会に溶け込み、人と人との輪の中に入って地域や人とつながるためにボランティアをする、好きなことや新しいことを勉強してみる、それで心豊かに、物質的にもほどほどに豊かに過ごす、それも一つの生き方ではないでしょうかという提案をさせていただいています。