ごあいさつ

昭和51年の開業当時から、損保業界出身という経歴を生かし、労働・社会保険に関する業務を得意分野として安全で安心できる職場環境づくりを意識しつつ社会保険労務士の職務を追及してきました。
お客様はいわゆる一人親方といわれる事業主の方から中小企業の事業主の方まででしたが、開業当初、「ケガと弁当は自分持ち」という古い考え方をもたれた経営者の方が多く、労働保険などとんでもないという時代でした。
そんな時代にお客様づくりのスタートとともに四つの「労働保険事務組合」をつぎつぎと立ちあげ、「労働保険事務組合への加入を条件に事業主にも労災保険本来の建前をそこなわない範囲で労災保険の保護の対象としています」という事を理解していただくには相当の努力を要しました。

労働保険事務組合加入時の実例

オフィスイメージ

加入を勧めた翌年に業務上災害で亡くなられた事業主のご遺族から大変感謝されたときの喜びは、今も忘れてはいません。また、古家の解体作業中、施主に言われたとおりに瓦を屋根から纏めて地面に落として割っていた時、落下した瓦が同僚の頭上に落ちて死亡するという事故が発生して、事業主の方から何とかして欲しいとの依頼をうけました。事業主でありながら、労災保険の認定に関してはまったく知らないということです。監督署まで付き添い、労災申請の手続きをし、遺族年金を受給できるようにして、大変感謝されました。

たくさんの労働災害事故を取り扱ってきてつくづく思うことがあります。
それは、こうした保険制度があることがいかに有難いかということです。同時にまた、労働災害事故はいかにしたら防げるかということを考えます。企業実績や利益優先を重視しすぎると「ムリ」が生じてくるものですが、こうした「ムリ」をできるだけなくして「ゆとり」を持つことが何より大事であるということだと思っています。

「人に優しい」企業づくり

ビルのイメージ

たとえば過密スケジュールを組んで車を運転させられ、監視のもとに細かいチェックが入り息抜きもできないという労働環境下では、労働安全衛生の一面を考えただけでもよくありません。
メリハリのある働き方にシフトしたほうがよいという助言をすると、そのことなら考えてきたことですと反論されることがあります。
効率や利益優先がよくないというのではなく、本当の意味で労働環境を向上させてゆくとは、どうしたら良いのかを深く理解して頂きたいと考えています。
「過ぎたるは及ばざるが如し」とならないためにも。
「人に優しい」とは、こういう配慮のことをいいます。
経営サイドのみの問題というものでもなければ、従業員サイドのみの問題というものでもない。運命共同体として労使間で互いに協力する必要があります。「相手を生かすということ」を心がけながら、「人に優しい」ということがどういうことなのかを真剣に考えたいものです。

「クオリティ・オブ・ライフ」を実現するために

家族のイメージ

近年、スローライフなどという言葉が流行っているのを見ても、経済効率優先・能率アップ重視型の考え方が見直されていることがわかります。ゆったりした流れのなかで仕事も生活もじっくりと味わい楽しむことが求められています。 そのことは、「クオリティ・オブ・ライフ」を実現しようとする方向性とも一致します。
会社と家庭、労働と人生とが分かたれていない、働きの質の向上がそのまま人生の質の向上につながるような、そして物心のバランスのとれた豊かな老後の暮らしまでも見据えた人生設計の提案をしてゆきたいと考えております。