加入を勧めた翌年に業務上災害で亡くなられた事業主のご遺族から大変感謝されたときの喜びは、今も忘れてはいません。また、古家の解体作業中、施主に言われたとおりに瓦を屋根から纏めて地面に落として割っていた時、落下した瓦が同僚の頭上に落ちて死亡するという事故が発生して、事業主の方から何とかして欲しいとの依頼をうけました。事業主でありながら、労災保険の認定に関してはまったく知らないということです。監督署まで付き添い、労災申請の手続きをし、遺族年金を受給できるようにして、大変感謝されました。
たくさんの労働災害事故を取り扱ってきてつくづく思うことがあります。
それは、こうした保険制度があることがいかに有難いかということです。同時にまた、労働災害事故はいかにしたら防げるかということを考えます。企業実績や利益優先を重視しすぎると「ムリ」が生じてくるものですが、こうした「ムリ」をできるだけなくして「ゆとり」を持つことが何より大事であるということだと思っています。